
2型糖尿病治療薬として注目されているマンジャロは、血糖コントロール効果に加え、体重減少効果も期待できるため、近年は医療現場で広く使用されるようになっています。
本記事では、マンジャロとはどのような薬なのか解説します。
GIP/GLP-1受容体作動薬としての特徴や作用機序、効果や副作用をはじめ、マンジャロ注射の打ち方や打つ場所、薬価や個人輸入のリスクと危険性、オゼンピックとの違いについてもまとめたので、マンジャロの正しい情報を知りたい方は参考にしてください。
マンジャロをオンラインで処方してもらいたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
マンジャロとは?2型糖尿病治療薬として注目される理由
マンジャロは、2型糖尿病治療の新たな選択肢として登場した注目の治療薬です。
ここでは、マンジャロの基本情報や承認の背景、GIP/GLP-1受容体作動薬としての特徴について解説します。
マンジャロの基本情報と承認の背景
マンジャロは、日本イーライリリー株式会社が製造販売する2型糖尿病治療薬で、有効成分として「チルゼパチド」を含んでいます。

2022年9月26日に日本で製造販売承認を取得し、2023年3月15日に薬価収載、2023年4月18日に国内販売され、保険適用で処方を受けられるようになりました。週1回の皮下注射で使用できる利便性から、患者の治療負担を軽減できる薬として注目されています。
マンジャロは、従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIPとGLP-1の2つのホルモン受容体に同時に作用する世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬として開発されました。
海外では「Mounjaro(マウンジャロ)」という商品名で販売されており、アメリカでは2022年5月に承認され、ヨーロッパでも2022年9月に承認されるなど、世界各国で使用が広がっています。
GIP/GLP-1受容体作動薬としてのマンジャロの特徴
マンジャロは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)と、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という2つのホルモン受容体に作用する、世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬です。
食事によって分泌された膵臓からのインスリン分泌を促すほか、脂肪の蓄積を抑制する働きがある。
マンジャロは、この2つの受容体に同時に働きかけることで、血糖降下作用や体重減少効果の両方が期待できるとされています。
さらに、週1回の皮下注射で使用できるため、毎日注射が必要な治療薬と比べて利便性が高く、治療継続のしやすいという特徴もあります。
マンジャロが注目される理由と海外での評価

マンジャロが注目される理由は、血糖コントロール効果と体重減少効果の両方が期待できる点にあります。
海外で実施された2型糖尿病患者を対象とした臨床試験「SURPASS試験」では、マンジャロを使用した患者において、HbA1c(ヘモグロビンA1c)の顕著な低下と体重減少が確認されました。特に、従来のGLP-1受容体作動薬のセマグルチドと比較しても、体重減少効果が高いことが報告されています。
また、週1回の投与で済むことから、通院や自己注射の負担を軽減できる点が、治療継続率の向上にも寄与すると期待されています。
アメリカではすでに多くの医療機関で処方されており、日本でも2型糖尿病治療の新しい選択肢として普及が進んでいます。
マンジャロの効果とは?2型糖尿病治療薬の作用機序を解説
マンジャロの作用機序やGIP/GLP-1の二重作用について詳しく解説し、血糖コントロール効果や体重減少効果が期待できる理由、効果を実感できる時期についてもまとめました。
マンジャロの作用機序とGIP/GLP-1の二重作用について
マンジャロの有効成分であるチルゼパチドは、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用する二重受容体作動薬のため、この2つのホルモンに働きかけることで、血糖コントロールと体重減少の両面からアプローチします。
- GLP受容体への作用
-
- 膵臓のβ細胞を刺激し、血糖値に応じてインスリン分泌を促進する
- 脂肪細胞に作用し、脂肪の蓄積を抑制する
- インスリン感受性を高め、エネルギー代謝を改善する
- GLP-1受容体への作用
-
- 血糖値に応じてインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる
- グルカゴンの分泌を抑制し、肝臓での糖の産生を抑える
- 胃の働きを緩やかにし、食後の血糖上昇を抑制する
- 脳の満腹中枢に作用し、食欲を抑制する
マンジャロは、これら2つの受容体に同時に働きかけることで、従来のGLP-1受容体作動薬よりも高い血糖降下作用と体重減少効果が期待できるでしょう。
マンジャロによる血糖コントロール効果とHbA1c改善データ
マンジャロは、2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善する効果が高い治療薬として注目されています。
臨床試験「SURPASS試験」では、マンジャロを投与した患者のHbA1cが平均1.8〜2.4%低下したと報告されており、特に15mg投与群では約2.4%の改善が確認され、セマグルチドなどの従来のGLP-1受容体作動薬と比較しても、より高い血糖降下作用が示されました。
また、マンジャロは血糖値に応じてインスリン分泌を促進するため、低血糖のリスクが比較的低いとされています。ただし、スルホニル尿素薬やインスリン製剤など、他の糖尿病治療薬と併用する場合は低血糖のリスクが高まる可能性があるので、医師の指導のもとで適切に使用するようにしましょう。
マンジャロの効果を実感できる時期
マンジャロの効果を実感できる時期には個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

- 使用開始から2~4週間程度で血糖値の低下がみられることがある
- HbA1cの改善は通常3~6ヶ月程度で確認できる
効果の実感には個人差があり、体質や生活習慣、併用する治療薬によっても異なります。
効果を十分に感じられない場合や、副作用が強く出る場合は、医師に相談のうえ投与量の調整や治療方針の見直しを行うようにしましょう。
マンジャロの副作用と危険性は?知っておきたい注意点
マンジャロの使用を検討する際は、副作用や危険性について正しく理解し、医師の指導のもとで適切に使用することが大切です。
ここでは、マンジャロの主な副作用や重篤な副作用、副作用が出やすい時期と対処法、さらに使用できない人や注意が必要な人について解説します。
マンジャロの主な副作用を紹介
マンジャロの主な副作用は、消化器系とその他の症状に分類されます。
- 消化器系の
副作用 -
- 吐き気、嘔吐
- 下痢、便秘
- 腹痛、腹部膨満感
- 食欲不振、消化不良
- その他の
副作用 -
- 頭痛、めまい
- 疲労感、倦怠感
- 注射部位の反応(赤み、腫れ、かゆみ)
- 味覚異常
副作用が気になる場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師に相談して投与量の調整や治療方針の見直しを検討しましょう。
マンジャロの重篤な副作用と危険性について
稀ではありますが、マンジャロには重篤な副作用の報告もあります。
以下のような症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し医療機関を受診してください。

- 急性膵炎
- 激しい腹痛、持続する腹痛
- 吐き気、嘔吐
- 背中の痛み
- 低血糖
- 冷や汗、動悸、手の震え
- 強い空腹感、めまい
- 意識障害(重度の場合)
- 腸閉塞
- 激しい腹痛、腹部膨満感
- 吐き気、嘔吐
- 便やガスが出ない
- 甲状腺腫瘍
- 首の腫れやしこり
- 嚥下困難、呼吸困難
- 声のかすれ
これらの重篤な副作用は発生頻度は低いものの、早期発見と適切な対処が重要です。マンジャロを使用していて異常や不安を感じた場合は、自己判断せず必ず医師に相談してください。
マンジャロで副作用が出やすい時期とは?対処法を紹介
マンジャロの副作用は、使用のタイミングや体が薬に慣れるまでの時期によって出やすさが異なります。
- 副作用が出やすい時期
-
- 使用開始直後(初回~4週間程度)
- 用量を増量したとき
- 他の糖尿病治療薬と併用したとき
- 消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢)への対処法
-
- 少量ずつ食事を摂り、脂っこい食事や刺激物を避ける
- 水分をこまめに補給して脱水を防ぐ
- 食後または就寝前など、注射のタイミングを調整する
- 症状が強い場合は医師に相談し、吐き気止めなどの処方を受ける
- 注射部位の反応への対処法
-
- 毎回注射ウイを変える(部位ローテーション)
- 注射前に皮膚を清潔にする
- 注射後は軽くマッサージせず、そっとしておく
- 赤みや晴れが続く場合は医師に相談する
マンジャロの副作用は、使用開始直後や用量を増やした際に現れやすく、時間の経過とともに軽減することが多いでしょう。特に吐き気や消化器症状が強い場合は、食事の量や内容を調整し、少量ずつ食べることで症状が和らぐことがあります。
マンジャロを使用できない人・注意が必要な人とは?
マンジャロには、使用できない人や使用時に注意が必要な人がいます。
マンジャロを使用できない人
- 1型糖尿病の方
- 糖尿病性ケトアシドーシスのかた
- 重度の胃腸障害(胃不全麻痺など)がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある方
- 甲状腺髄様癌または多発性内分泌腫瘍症2型の既往歴や家族歴がある方
マンジャロの使用に注意が必要な人
- 膵炎の既往歴がある方
- 胆石症や胆嚢炎の既往歴がある方
- 腎機能障害がある方
- 高齢者
- 他の糖尿病治療薬(特にインスリンやSU薬)を使用している方
これらに該当する場合は、マンジャロの使用前に必ず医師に相談し、リスクを十分に把握したうえで治療を開始することが重要です。
また、使用中に体調の変化や異常を感じた場合は自己判断せず、すぐに医師に相談するようにしましょう。
マンジャロ注射の安全な使い方は?打ち方と打つ場所を詳しく解説
マンジャロの正しい使い方を理解し、適切に注射することで効果を実感しやすくなり、副作用のリスクも軽減できます。
ここでは、マンジャロ皮下注射の基本的な使い方や打ち方、打つ場所と部位ローテーション、投与量と用法用量について解説します。
マンジャロ皮下注射の基本的な使い方
マンジャロは、週1回同じ曜日に皮下注射を行います。
注射のタイミングは食事に関係なくいつでも可能ですが、毎週同じ曜日・同じ時間帯に行うと、打ち忘れを防ぎやすくなります。
なお、打ち忘れた場合は次の接種までの間隔を確認し、自己判断で打つようなことはせず医師または薬剤師に相談するようにしましょう。
マンジャロ使用前の準備
- 冷蔵庫から取り出し常温に戻す(30分程度)
- 注射液の色や異物がないか確認する
- 手を石鹼でよく洗い清潔にする
- 注射部位をアルコール綿で消毒する
- 未使用のマンジャロは冷蔵庫(2~8℃)で保管する
- 凍結させない
- 直射日光を避ける
- 使用期限を確認し、期限切れのものは使用しない
マンジャロは注射器に針が内蔵されており、使用後に針を取り外す必要がないので、収納されている針に触れないようにしましょう。
マンジャロの正しい打ち方
マンジャロを安全かつ効果的に使用するため、正しい注射手順を日本イーライリリー社の公式情報・添付文書に基づいてまとめました。
- 手を洗う
- 清潔な手で作業を行う
- 注射部位(腹部・太もも・上腕)を選び、アルコール綿などで消毒する
- へその周囲5cmは避ける
- 室温に戻したマンジャロのペン型注射器のキャップを真っ直ぐ引き抜いて外す
- キャップをひねらないように注意
- 注射部位に垂直に押し当てる
- 皮膚を軽くつまんでもOK
- ロック解除リングを「回して解除」する
- カチッと音がする
- 注射ボタンをしっかり押し込む
- 薬液が完全に注入されるまで押したまま10秒キープ
- ペンを皮膚から離してからボタンを離す
- 針が自動でカバーに収納されるため針の取り外しは不要
- 使用済みペンは牛乳パックなどの二ができる固い容器に入れ廃棄する
- 一般ごみに捨てないように注意
注射後は部位を軽く押さえる程度にとどめ、強くこすったりマッサージしたりしないようにしましょう。
マンジャロを打つ場所と部位ローテーションについて
マンジャロは皮下注射で使用するため、皮下脂肪が十分にある柔らかい部位に注射します。

これらの部位の中から、毎回異なる場所に注射する「部位ローテーション」を行うことが推奨されています。
部位ローテーションの重要性
- 同じ部位に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなる(脂肪萎縮・脂肪肥厚)
- 注射部位の痛みや炎症を軽減できる
- 薬の吸収が安定し、効果を実感しやすくなる
部位ローテーションの目安として、同じ場所でも1週間以上間隔をあければ注射は可能ですが、毎回少し位置をずらして注射することが大切です。
同じ箇所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなったり薬の吸収が不安定になることがあるため、1〜2cm程度ずらして打つようにしましょう。
また、注射部位をメモやアプリなどで記録しておくと、ローテーション管理がしやすくなります。
マンジャロの投与量と用法用量について
マンジャロの投与量は、患者の血糖コントロール状況や体重、副作用の有無などに応じて段階的に増量していきます。
マンジャロの投与量
- 開始用量
-
2.5mg(週1回)
- 維持用量
-
5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg(週1回)
通常は2.5mgから開始し、4週間以上の間隔をあけて段階的に増量します。
増量のペースや用量は、医師が血糖値や体重、副作用の状況を見ながら判断します。
- 副作用が強い場合は、増量を見送るか減量する
- 血糖コントロールが不十分な場合は、段階的に増量する
- 体重減少効果が期待できる場合も、段階的に増量することがある
マンジャロは医師の処方に基づいて使用する医薬品のため、自己判断で投与量を変更したり、使用を中止したりしないようにしましょう。また、投与量の調整が必要な場合は、必ず医師に相談してください。
GIP/GLP-1受容体作動薬マンジャロとゼップバウンドの違い
マンジャロとゼップバウンドは、どちらもチルゼパチドを有効成分とするGIP/GLP-1受容体作動薬ですが、承認されている適応症や使用目的に違いがあります。

マンジャロ
(日本での適応:2型糖尿病)
- 発売日
-
2023年4月18日(開始用量)
2023年6月12日(高用量) - 適応症
-
2型糖尿病の治療
- 使用目的
-
血糖コントロールの改善
- 保険適用
-
あり
- 投与方法
-
週1回皮下注射
ゼップバウンド
(日本での適応:肥満症)
- 発売日
-
2025年4月11日
- 適応症
-
肥満症の治療
- 使用目的
-
体重減少の促進
- 保険適用
-
あり
(特定の条件を満たす患者に対して) - 投与方法
-
週1回皮下注射
マンジャロとゼップバウンドの有効成分はどちらもチルゼパチドですが、承認されている適応症と使用目的が異なります。マンジャロは2型糖尿病の治療目的、ゼップバウンドは肥満症の治療目的で承認されている薬剤です。
ゼップバウンドは「最適使用推進ガイドライン」の対象薬剤であり、処方できる医療機関が限定されます。日本肥満学会などの専門学会により教育研修施設として認定された大学病院や大規模医療機関でのみ処方可能です。
一方、前述でも解説している通り、マンジャロを日本で使用する場合は、2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。体重減少効果が認められていますが、あくまで血糖改善に伴う副次的な作用であり、肥満症やダイエットを目的とした使用は承認されていないため、使用する際は必ず医師の指導のもとで安全かつ適切に行うようにしましょう。

マンジャロとオゼンピックの違いとGLP-1製剤との比較
マンジャロとオゼンピックは、どちらも2型糖尿病治療薬として使用される注射薬ですが、作用機序や効果に違いがあります。
マンジャロとオゼンピックの作用機序の違い
マンジャロとオゼンピックは、どちらも血糖を下げるホルモンであるインクレチンに作用する薬ですが、作用する受容体の種類が異なります。
- GIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用する二重受容体作動薬
- 2つの受容体に同時に働きかけることで、血糖値降下作用と体重減少効果が期待できる
マンジャロはGIPとGLP-1の二重作用により、オゼンピックよりも血糖降下作用と体重減少効果が期待できるとされています。
臨床試験(SURPASS-2試験)では、マンジャロはオゼンピックと比較して、より大きなHbA1c低下および体重減少を示したと報告されていますが、患者の体質や合併症によって効果には個人差があるため、どちらの薬が適しているかは医師が判断します。
マンジャロとオゼンピックの副作用の違い
マンジャロとオゼンピックはいずれもGLP-1受容体に作用する薬であり、消化器系の副作用が多く報告されていますが、副作用の出方や強さには個人差があり、薬剤ごとに発生頻度や程度に違いがあります。
共通してみられる副作用
- 吐き気、嘔吐
- 下痢、便秘
- 腹痛、腹部膨満感
- 食欲不振
副作用の発生傾向
臨床試験「SURPASS-2試験」では、マンジャロとオゼンピックを比較した結果、どちらも消化器系副作用が最も多いですが、マンジャロの方がやや多く報告されています。
特に、吐き気や下痢の発生率が高い傾向にありますが、重篤な副作用は少なく、時間の経過とともに軽減するケースが多いことが確認されています。
ただし、副作用の出方には個人差があるので、マンジャロで副作用が強く出る方もいれば、オゼンピックで副作用が出やすい方もいます。副作用が強く出る場合は、医師に相談して投与量の調整や薬剤の変更を検討するようにしましょう。
参考:2型糖尿病患者に対する週1回皮下投与製剤のチルゼパチドとセマグルチドとの比較
マンジャロとオゼンピックを使い分けるポイント
マンジャロとオゼンピックは、どちらも血糖を下げる効果や体重減少効果を持つ薬剤ですが、患者の状態や治療の目的によって適した薬が異なります。
- より強い血糖降下作用を期待したい
- 体重減少効果も重視したい
- HbA1cが高く血糖コントロールが難しい
「GIP+GLP-1」の二重作用により、オゼンピックよりも血糖降下作用・体重減少効果が強いため、より効果を得たい場合に選択されることが多い。

どちらの薬が適しているかは、患者の血糖値・体重・既往歴・副作用のリスクなどを総合的に判断して決定されます。自己判断で切り替えるのではなく、医師と相談のうえで最適な治療薬を選ぶことが大切です。
参考:マンジャロ (チルゼパチド)| 医療関係者向け Lilly Medical、オゼンピック® | 2型糖尿病治療剤 持続性 GLP-1 受容体作動薬
マンジャロの薬価と処方の違いを保険適用と自費診療の観点から解説
マンジャロの薬価の目安や保険適用条件、処方を受ける方法、オンライン診療での処方について解説します。
マンジャロの薬価の目安
マンジャロの薬価は用量によって異なり、2025年時点での公示薬価は以下の通りです。
マンジャロの薬価(1本あたり)
- 2.5mg
-
1,924円
- 5mg
-
3,848円
- 7.5gm
-
5,772円
- 10mg
-
7,696円
- 12.5mg
-
9,620円
- 15mg
-
11,544円
上記の価格は公示薬価に基づくものであり、保険診療で使用する場合は3割負担が一般的で、上記の約30%が自己負担となります。
例えば、5mgを週1回使用する場合、1本あたり約1,154円、月4本使用で約4,616円の自己負担額になります(診察料や処方箋料は別途)。
また、自治体の医療費助成制度により、自己負担額が軽減される場合がありますので、詳細は医療機関や自治体の窓口で確認してください。
マンジャロの保険適用条件と自費診療になる場合
マンジャロは、2型糖尿病の治療を目的とする場合にのみ保険適用となります。
- 保険適用の条件
-
- 2型糖尿病を診断されている
- 食事療法や運動療法だけでは血糖コントロールが不十分
- 他の糖尿病治療薬との併用も含め、医師が必要と判断した場合
- 自費診療の場合
-
- ダイエット目的や美容目的での使用
- 糖尿病ではない方が使用する場合
ダイエット目的や美容目的でマンジャロを使用する場合は、全額自己負担の自費診療となり、1本あたり数万円の費用がかかることがあります。また、自費診療の場合は医療機関によって料金設定が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

マンジャロの処方を受ける方法
マンジャロの処方を受けるには、医療機関を受診して医師の診察を受ける必要があります。
マンジャロ処方の流れ
内科や糖尿病専門クリニックを受診する
血液検査や問診により、2型糖尿病の診断を受ける
医師と相談し、マンジャロの使用が適切か判断する
医師が処方箋を発行する
処方箋を薬局に持参してマンジャロを受け取る
マンジャロは医師の処方箋が必要な医薬品のため、薬局やドラッグストアで購入することはできません。必ず医療機関を受診して、医師の診察を受けたうえでマンジャロを処方してもらいましょう。
オンライン診療でのマンジャロの処方は受けられる?
マンジャロは、条件を満たせばオンライン診療でも処方を受けることができます。
- 初診からオンライン診療に対応している医療機関を受診する
- 血液検査結果などの医療情報を提供できる
- 医師が対面診療の必要がないと判断した場合
オンライン診療でマンジャロを処方してもらう場合は、まずはビデオ通話で医師の診察を受け、処方してもらいましょう。マンジャロは処方後は自宅に配送されることが一般的で、冷蔵保存が必要なためクール便で届きます。 ただし、初回の処方や定期的な血液検査が必要な場合は、対面診療が推奨されることがあるため、オンライン診療を希望する場合は、医療機関に事前に確認しておくとよいでしょう。
マンジャロで痩せる理由とダイエット目的での使用について
マンジャロで痩せる理由や臨床試験での体重減少データ、ダイエット目的で使用する際の注意点について解説します。
マンジャロで痩せる理由と体重減少のメカニズム
マンジャロは、血糖コントロールだけでなく体重減少効果も期待できる治療薬です。主なメカニズムは以下の通りです。

- 食欲抑制作用
-
GLP-1受容体に作用し、脳の満腹中枢に働きかけることで食欲を自然に抑制します。結果として食事量が減り、摂取カロリーも抑えられます。
- 胃の動きを緩やかにする
-
胃内容物の排出を遅らせることで、満腹感が長く持続します。これにより食後の血糖上昇も緩やかになり、血糖値の安定にも寄与します。
- 脂肪の蓄積を抑制
-
GIP受容体に作用し、脂肪細胞での脂肪蓄積を抑え、脂肪の分解を促進することで、エネルギーとして消費されやすくなります。
- エネルギー代謝の改善
-
基礎代謝を向上させ、エネルギー消費を促進します。運動と併用すると、体重減少効果がさらに高まることがあります。
これらの作用の組み合わせにより、マンジャロを使用した多くの患者で体重減少が報告されています。
マンジャロの臨床試験における体重減少データ
マンジャロの国内外の大規模臨床試験でも、体重減少効果が検証されています。
- SURPASS J-mono(日本人対象試験)
-
日本人2型糖尿病患者636例を対象に52週間投与した試験では、以下の結果が報告されています。
- 5mg投与群
-
平均 -5.8kg
- 10mg投与群
-
平均 -8.5kg
- 15mg投与群
-
平均 -10.7kg
- SURPASS-1(海外大規模臨床試験)
-
肥満を有する海外の2型糖尿病患者を対象とした試験では、より顕著な体重減少が報告されています。
- 5mg投与群
-
平均 -7.6kg
- 10mg投与群
-
平均 -9.3kg
- 15mg投与群
-
平均 -11.2kg
参考:マンジャロ(チルゼパチド)の国内第III相試験(SURPASS J-mono試験)の結果は? | 医療関係者向け – 日本イーライリリー株式会社
SURPASS-1 | dualincretin.com
国内外の臨床試験データでは、2型糖尿病患者で肥満症患者を対象とした試験でも、体重減少効果があることが証明されています。
ダイエット目的でマンジャロを使用する際の注意点
マンジャロは本来、2型糖尿病の治療薬として承認されている薬剤であり、ダイエット目的での使用は適応外となります。 そのため、美容や減量を目的に使用する場合には、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。
ダイエット目的での使用に関する注意点
- 保険適用外となり全額自費診療になる
- 医師の診察・処方を受ける必要がある
- 吐き気・下痢・倦怠感などの副作用が生じることがある
- 使用を中止すると体重が戻る可能性がある
ダイエット目的でマンジャロを使用する場合は、リスクと効果(ベネフィット)を十分に理解し、医師と相談したうえで適切に使用することが重要です。また、マンジャロに頼るだけではなく、食事管理や運動習慣の改善を併用することで、より健康的で持続的な体重減少が期待できます。
安易な自己判断での使用は避け、必ず専門の医師の指導のもとで適切に使用するようにしましょう。
マンジャロの個人輸入のリスクと正規ルートでの入手方法
マンジャロを安く手に入れたいとや個人輸入や海外通販での購入を検討する方もいますが、オオサカ堂などの一般的な個人輸入代行サイトではマンジャロの取り扱いは基本的にありません。
マンジャロ個人輸入の危険性と偽造品や品質のリスク
一部、医療従事者向けにマンジャロを取り扱いを行っている代行サイトは存在しますが、それ以外のサイトで販売している場合は、違法サイトの可能性が高いので注意が必要です。
マンジャロの個人輸入の危険性
- 偽造薬や品質の劣る製品のリスク
- 副作用発生時のサポートなし
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外
- 税関での没収リスク
マンジャロの正規ルート処方の重要性
- 品質が保証された正規品の入手
- 医師による適切な診察を経過観察
- 副作用発生時の迅速な対応
- 緊急時の医療サポート
個人輸入には健康被害や効果が得られないなどのリスクがあるため、安易に利用することは避け、必ず医師の診察を受けて正規ルートでマンジャロを入手するようにしましょう。
リスクを抑えてマンジャロを購入する方法
マンジャロは医師の処方箋が必要な医薬品であり、個人輸入代行サイトや転売サイトを通じた購入には重大なリスクがあります。 偽造品や保管状態の悪い薬を摂取すると、効果が得られないだけでなく健康被害を招くおそれもあります。
リスクを抑えてマンジャロを購入するためには、必ず医療機関で診察を受けて処方を受けることが大切です。正規ルートでマンジャロを購入すれば、医師の指導のもと、2型糖尿病治療として適切な用量で治療を進められるほか、副作用が出た場合にも迅速に対応してもらえるので、必ず医療機関を受診し、処方してもらうようにしましょう。
マンジャロを処方してもらえるおすすめクリニックを知りたい方はこちらを参考にどうぞ。
マンジャロをやめたらどうなる?
マンジャロは使用を継続することで効果が維持されるので、使用をやめた場合の血糖値への影響や体重リバウンドのリスク、中止する際の注意点について解説します。
マンジャロ中止後の血糖値と体重の変化
マンジャロ中止後の血糖値への影響や体重リバウンドのリスクについて解説します。
マンジャロ中止後の血糖値への影響
- 中止後1〜2週間で血糖値が上昇し始めることがある
- マンジャロの作用が切れると、インスリン分泌促進や食後血糖抑制の効果が薄れるため
- 早い人では1週間程度で空腹時血糖が上昇するケースもある
- HbA1cは約2〜6ヶ月かけて上昇し、投与前の値に戻る傾向
- HbA1cは過去数ヶ月の平均血糖を反映するため、変化はゆるやかに現れる
- 血糖悪化を防ぐためには、食事療法や運動療法の継続が重要
- 他の糖尿病薬への切り替えでコントロール維持も可能
- 医師の指導のもと、メトホルミンやSGLT2阻害薬といった他剤を併用・再開することで、悪化を防げることがある
- 医師の指導のもと、メトホルミンやSGLT2阻害薬といった他剤を併用・再開することで、悪化を防げることがある
マンジャロ中止後に血糖が上昇しても、自己判断で再開・増量するのは危険です。
血糖値が再上昇した場合は、すぐにマンジャロを再開するのではなく、まずは生活習慣の見直しや既存薬の調整が行われます。
それでも、HbA1cが7.0%を超える場合や空腹時血糖が130mg/dL以上が続く場合には、再度GLP-1/GIP作動薬の再導入が検討されます。
マンジャロ中止後の体重リバウンドリスク
- 中止後3ヶ月以内に体重が増え始めるケースが多い
- 海外臨床試験では、中止後12〜16週で平均3〜6kgの再増加が報告されている
- マンジャロ継続群と比較して停止群は1年で体重の多くを再び獲得
- 体重減少の約半分〜3分の2が戻るケースもある
- 満腹感が薄れて食欲が元に戻る
- リバウンドを抑えるには生活習慣の維持が必須
- 投与中から食事コントロールや運動を習慣化することで、中止後も体重増加を緩やかにできる
- 栄養バランスを意識した「高タンパク・低脂質・食物繊維多め」の食事が推奨される
マンジャロ中止後に体重が戻るのは「薬が効かなくなった」のではなく、ホルモン作用が消えるための生理的反応です。
そのため、使用を中止する際には、医師や管理栄養士による食事・運動・血糖モニタリングの継続支援が重要です。血糖値の変動を記録しながら、必要に応じて薬剤を段階的に調整していくことで、安定したコントロールを維持できるでしょう。
マンジャロを中止する際の注意点と医師への相談
マンジャロの中止は、治療の「終了」ではなく「方針の切り替え」です。
糖尿病は長期的にコントロールを続ける必要があるため、自己判断で使用をやめたり、再開したりするのは危険なので、必ず主治医と相談のうえ検討するようにしましょう。
マンジャロを中止する際の注意点
- 自己判断で中止しない
- マンジャロを突然やめると、血糖値が急上昇するおそれがある
- 血糖コントロールが悪化すると、合併症リスク(神経障害・網膜症・腎症など)が高まるため、必ず医師の指示に従って段階的に調整することが大切
- 中止のタイミングは医師が判断
- 目標HbA1c値を達成して安定が続いている場合や、副作用・体重減少が大きい場合などに、中止を検討することがある
- 他の糖尿病薬への切り替えや、減量療法の継続が提案されることもある
- 中止後も治療は継続中
- 薬をやめても、食事療法・運動療法・定期的な血糖チェックは続ける必要がある
- マンジャロの効果がなくなった後も、生活習慣を維持することで血糖や体重の再悪化を防ぐことができる
マンジャロを中止する際は、医師と相談しながら適切なタイミングで中止し、血糖や体重の変化を定期的にモニタリングすることで、リバウンドや血糖悪化を最小限に抑えることができます。
マンジャロに関するよくある質問
マンジャロの使用や管理方法について、使用者からの疑問や質問についてまとめました。
マンジャロとインスリンの違いは?
マンジャロとインスリンは、どちらも糖尿病治療に用いられる注射薬ですが、作用機序が異なります。
マンジャロ
- GIP/GLP-1受容体作動薬
- 体内でのインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる
- 血糖値に応じて作用するため、低血糖のリスクが比較的低い
- 食欲抑制や体重減少効果が期待できる
インスリン
- ホルモン製剤
- 直接的に血糖値を下げる
- 低血糖のリスクがある
- 体重増加を伴うことがある
マンジャロは「体内のインスリン分泌を助ける薬」であり、「インスリンそのものを補う薬」ではありません。
2型糖尿病の治療では、血糖コントロールの状況によってマンジャロとインスリンを併用する場合もあります。

マンジャロを一生続ける必要はある?
マンジャロを一生続ける必要があるかどうかは、糖尿病の状態や血糖コントロールの安定度によって異なります。
- 2型糖尿病の治療継続が必要な場合
- マンジャロで血糖値が良好にコントロールできている場合
- 他の薬剤で十分な効果が得られない場合
マンジャロの使用を中止するかどうかは、医師の指導のもとで段階的に行うことが基本です。自己判断で中止すると血糖が再上昇するリスクがあるため、必ず医師に相談して方針を決めましょう。
マンジャロの保管方法を教えて!
マンジャロは温度変化に敏感なため、適切な温度管理が重要です。
- 未使用ペンは冷蔵庫で保管(2~8℃)
- 凍結させない(凍結すると使用できなくなる)
- 直射日光を避ける
- 使用期限を必ず確認し、期限切れは使用しない
- 使用前は室温に戻してから注射する(30分程度)
マンジャロは温度や光の影響を受けやすいため、保管環境に注意することが大切です。品質を保ち安全に使用するためにも、上記のポイントを守り正しく保管するようにしましょう。
また、マンジャロは針が内蔵されている注射器ため、使用後も針を外す必要はありません。
そのため、収納されている針には触れず、専用の廃棄容器(シャープスコンテナ等)や牛乳パックの空容器など、蓋ができる固い容器に入れ、さらにゴミ袋などに入れ廃棄するようにしましょう。家庭ごみとして回収する市町村もありますが、購入した医療機関に確認して正しい方法で廃棄するようにしてください。
マンジャロとは?2型糖尿病治療薬の効果と副作用を解説【まとめ】
マンジャロは、世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬で、2型糖尿病の血糖コントロールに効果が期待できる医薬品です。週1回の注射で、血糖コントロールの改善に加えて体重減少効果も報告されています。
マンジャロの効果を実感するには、医師の指導のもとでの使用と食事療法・運動療法を併用することが大切です。また、副作用のリスクを理解したうえで、体調の変化を感じた場合は速やかに医師に相談するようにしましょう。
なお、マンジャロは糖尿病治療薬として承認された医薬品であり、ダイエット目的での使用は適応外です。個人輸入サイトでの購入は偽造品や健康被害のリスクがあるため避け、必ず医療機関を通じて正規ルートで入手するようにしてください。
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